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A80年代の実績と90年代の見通しからそう判断している。
GE社は世界最良の会社の1つであると、我々経営陣は信じている。
自己株式取得計画の実施は、我々がGE社の将来について確信を持っていることを表明するものである。
(以下略)(1)992年5月30日付「N新聞I「基礎コース」鋼から銭粋)合的できめの細かい財務政策を展開しなければならない。
急速に普及し始めた自社株取得を、いかに総合的な資本政策の一環に組み込むかが、日本企業に共通する課題である。
その際の参考に供するために「コラム」ではGEのOO~意ドルに達する大規模な自社株取得プログラムの背後にある、基本的な考え方を紹介した。
第8章では資本の種類を便宜的に負債と株主資本に二分し、その最適な組み合わせ、すなわち資本構成に関する原理的な紹介をおこなった。
しかし、現実の世界では大企業の資金調達は著しく多様化している。
とりわけ1980年代を通じて様々な資金調達手段が開発され、国際資本市場で資金を調達する内外大企業の資本構成は飛躍的に複雑になっている。
なかでも負債資本における変化が顕著である。
劣後債、ジヤンク債、転換社債、ワラント債など、負債とエクイティの両方の'性格を持った混合証券や派生証券なども広く利用されるようになった。
このように資金調達が高度に多様化してきたのは、もちろん企業側、投資家側双方のニーズが多様化していることの反映にほかならない。
この章では、企業の資本調達源を単に二種類ではなく、何十種類にも多様化することの経営的な意味合いと、それにともなう諸問題を取り上げる。
最後に、わが国大企業の資金調達の多様化の特色と今後の課題に言及する。
回キャッシュフローの切り売りとしての資金調達の多様化企業財務理論では、株式会社の資本構成を便宜的に負債と株主資本に二分している。
これは、企業が事業から生み出すトータル・キャッシュフローに対する請求権を、人為的に2つの異なったタイプのリターン・リスクの切り身に分割しているにすぎない(図111の(1)。
さて、現実には資本の種類は負債と株式の二種類というより、リターンとリスクの少しずつ異なる組み合わせをいくつも人為的に作り出して、トータル・キャッシュフローを切り売りしているといえよう。
今日の大企業の発行している証券をみると、満期や返済パターンの異なる様々な負債、株式に転換可能な社債やワラント債など、きわめて多様化している。
例えば、表111はキャッシュフローの様々な切り口と、それに対応した金融手段や有価証券の代表例を示したものである。
これは企業が投資家、資金運用サイドのニーズの多様化、高度化に応えて、なるべく個別、特殊なニーズにかなった切り身を提供しようという努力の反映である。
つまり、キャッシュフローのある特殊な切り身のみに関心のある投資家に対して、ちょうどそれにふさわしいものを提供してやれば、全体をパッケージで売るよりも企業の市場価値を大きくできるというわけである。
企業の財務管理者の立場からすれば、資金調達の多様化とは、トータル・キャッシュフローが与えられたときに、それを市場で多数の消費者にいかに高く切り売りするかという、優れてマーケテイングの問題といえよう。
図111の(2)は、短期負債、普通社債、転換社債、普通株の四種類の切り身を売っている企業の、キャッシュフローの切り売りの状況を示したものである。
発達した資本市場では、このようにして作り出されたリターン・リスク特性が少しずつ異なる多種多様なキャッシュフローの切り身が売買されている。
投資家の多様なニーズに応え、同時に企業側も適切な条件で必要な時に必要な量の資本が調達できるためには、これらの多様な金融商品が、そのリターン・リスク特性を適切に反映した価格付けがなされることが前提になっている。
このように、資金調達の多様化の基本的前提としては、多様な選択のアベイラピリティがあることが好ましく、それを提供できれば市場は付加価値を認めてくれるということである。
したがって、様々な投資家の個別具体的なニーズを的確に把握し、それに見合ったキャッシュフローの切り身をいち早く提供するよう努めることが、企業の財務担当者の重要な役割と考えられる。
これは243ページの「コラム」に示される欧米流の肉牛の売り方に似ている。
国リレーションの多様化と工ージェンシー・コスト企業の資金調達の多様化は、潜在的に利害の対立する可能性のある多種多様な債権者、投資家をつくり出すことを意味する。
つまり、企業は事業からもたらされるキャッシュフローを市場価値が最大になるような形で、リスク・リターン特性が少しずつ異なる様々なパッケージをつくり出して、そのうちの1つに関心のある投資家に「切り売り」することにほかならない。
リスクをまったくとりたくない投資家に対しては、短期で流動性の高いかわりにリターンのf民い、長良千子ローンやコマーシャルペーパーのような売主のキャッシュフローを約束する「切り身」を提供する。
もう少し長期に資金をコミットしたいが、事業リスクはとるつもりのない機関投資家に対しては、長期社債という形のキャッシュフローを売ることになる。
そしてキャッシュフローの不確実性はきわめて大きいが、平均的には一番高いリターンを期待する投資家には、普通株という名目で、ほかのすべての債権者に支払いをすませた残余のすべてのキャッシュフローを「売る」ことになる。
この際つくり出される多種多様なキャッシュフローの切り身の中身は、どういう状況のもとでは、どの債権者が、どういう順番で、どれだけの支払いを受ける権利があるかを定めた契約の束にほかならない。
そして経営が順調な聞はよいが、いったん行き詰まると、これらの多様な債権者の聞の関係は、パイそのものを大きくするために協力するというよりは、一定のキャッシュフローの奪い合いを演じる、利害の相対立する関係になって現れる。
このため資金調達の多様化にともなって、企業にとっては多種多様な債権者や投資家との聞にどのようにして信頼関係を構築し、その多角的な関係をいかにマネージするかが、きわめて重要な課題となってくる。
そうしてはじめて資金調達の多様化のメリットが十分生かされることになるといえよう。
もしそれに十分対応できない場合には、関係の多様化がもたらすいわゆる“エージ、エンシー・コスト"が深刻になり、むしろ多様化がマイナスになることも十分ありうる。
エージェンシー・コストとは、本人(プリンシパル例えば企業の所有者である株主)が代理人(エージェント例えば雇われ経営者)に仕事の一部または全部を委ねることにともなって発生する、様々な追加のコストを意味する広い概念である。
追加のコストが発生する原因は様々あるが、とりわけ大企業の資金調達との関連で問題になるのは、情報の非対称性(つまり投資家が企業について有している情報に関して、インサイダーである企業内部の人間と対等でない)ことから発生する、追加コストの問題である。
このようなプリンシパルーエージェント関係は企業経営の様々な側面で発生しうるが、資金調達との関連で代表的なものを例示すると、表112の通りである。
パンク関係と設備投資行動について」を参考に作成。
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